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「最近、聞こえにくいな・・・。
でも、補聴器はちょっと・・・。」
聞こえにくさを感じたり、周りの人から指摘されたりしても、補聴器はできればつけたくない、と思われている方も多いのではないでしょうか。見えにくくなったら「眼鏡」をかけることにはあまり抵抗がないけれど、補聴器は少し勇気がいる、というお声もよく耳にします。また、補聴器を試してみたいけれど、どこに相談したらいいのかわからない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
次のようなことがあったら、耳鼻科医にご相談ください。
ほとんどの難聴は徐々に聞こえが悪くなってくるため、少しずつ慣れてしまい自分では案外気づかないこともあります。聞き返しや聞き間違いが多くなったら、耳鼻科で聴力検査を受けてください。中等度難聴(40㏈)以上であれば、補聴器の装用をお勧めします。
最近、難聴に関するさまざまな調査結果が報告されています。難聴があると「交通事故を起こしやすい」「転倒しやすい」と言われています。また、「うつ」や「認知症」との関連性が強いことも報告されています。認知症のうち40%は予防可能な原因とされ、難聴がそのうちの最も大きな要因とされています。
では、補聴器を装用すれば認知症を改善したり進行を遅らしたりすることができるのか?ということが気になります。
米国の論文に、「補聴器を使う前と使いだした後の記憶力を調査したものがあります。その論文では、補聴器を装用するまでは年々記憶力が低下していたが、補聴器を装用した後は低下の度合いが減少したとされています。
また、イギリスの研究では、聞こえが正常な人に比べ難聴のある人は記憶力の低下が認められたが、補聴器を装用した人にはその傾向が認められなかったとされています。
これらの結果は、認知機能の低下を予防するのに補聴器が有用だと示唆していると考えられます。
また、生活の様々な場面において、補聴器が生活の質を高めるという報告もあります。
生活において会話は必須です。情報を伝えるための会話においても、人間関係を作る会話においても「聞こえる」ということは大切です。
難聴が進むと最低限の一方通行の会話になりやすく人間関係が寂しくなりがちです。
自分から積極的に聞こえる努力をすることで生活の質が向上します。
難聴だと気づかれたくない気持ちが「補聴器を試してみること」の妨げとなっている人は少なくありません。しかし、難聴を隠すことにはメリットがありません。
例えば、あいさつをされても気づかず返事をしなければ相手の人はどう思うでしょうか?聞き取れていないのに、何度も聞き返したくなくてわかったふりを続けたら信頼関係はどうなるでしょうか。
また、周りの人たちも、大きな声を出したり何回も言い直したりすることは結構大変なことです。
難聴であることをそのままにしたり、隠したりして相手に誤解されるよりもわかってもらったほうが良い人間関係につながります。
補聴器を装用し努力しているとわかれば周囲の人たちも納得し理解を示してくれるはずです。
では、補聴器はいつから装用したらよいのでしょうか。補聴器を早くから装用していると聞こえが悪くなるのではないかと心配される方がいらっしゃいます。
自分の聴力にあった補聴器を装用していれば、一般的に補聴器を装用することで聴力が低下することはありません。
補聴器を装用していてもしていなくても加齢による聴力の変化は同じようにみられます。
年齢が若いうちから、軽度のうちから補聴器を装用しているほうが、高齢になってかなり難聴が進行してから初めて装用した人に比べて、同じ聴力でもよく聞き取れる傾向にあります。
聞き取りは、耳ではなく、脳が関係しているからです。音を聞く脳の回路は、常に刺激されていないとだんだん働きが悪くなっていくという現象があります。
聞こえが気になりだしたら早めに補聴器を装用することを検討していただくことをお勧めします。
当院では、
●毎週火曜日の午後
●第1~3週水曜日の午後
補聴器外来を開いています。
聞こえについて気になることがありましたら、ご相談ください。
医師、言語聴覚士、補聴器認定技能者、看護師で連携し、患者様をサポートします。
1カ月程度の試聴から開始し、カウンセリング、補聴器の調整を行い3カ月程度試聴していただきます。
補聴器が装用できると判断できた時点で補聴器を注文します
注文した補聴器を1~3カ月程度装用していただき、不具合等がないことを確認してから購入していただきます
3カ月~6カ月後に状態の評価を行い、適切に補聴器が装用できているか確認させていただきます。
半年から1年ごとに、聴力検査、補聴器メンテナンス、装用指導等を行いフォローアップしていきます。